千石の家(2011年12月)
「大きな3階バルコニーは都市の中のプライベートゾーン」
竣工:2011年12月|用途:専用住宅|計画地 : 東京都文京区|敷地面積 : 97.00m2(29.3坪)|建築面積 : 48.45m2(14.7坪)|建ぺい率:49.95%(許容:80%)| 延床面積 : 123.02m2(37.2坪)|容積率:109.85%(許容:300%)|構造 : RC造 | 規模 : 地上3F建て | 設計 : 2009年11月-2011年5月 | 施工 : 2011年5月-12月 |
千石に建つ2世帯住宅。建て替えのご依頼。
1階にご両親室、2階に子世帯、3階に子世帯主寝室と浴室を配置した。
細長い敷地のため、通風と採光をどのように確保するかが課題だった。
長細い敷地に対し、建物をめいっぱい道路側に寄せ、裏庭を可能な限り広げた。
そのことにより1階の両親室だけではなく、周囲の家にとっても明るい場所を作り出している。
建物も細長くなるため、真ん中がどうしても暗くなってしまう。
そこで、道路側と裏庭側とに小さな壁式の箱を2棟建て、真ん中は壁のないスラブだけの空間とした。真ん中の最上階は天井高を抑えたガラス張りの渡り廊下とすることで、建物全体のハイサイドライトのようになっている。
最上階は離れのような雰囲気を楽しめるよう小さな小屋のような空間とし、自らの建物で周囲の視線を遮り、街中に建っていることを忘れそうなプライベートな場所が作られている。
意匠設計:設計事務所バリカン 担当:尾形模空
構造設計:間藤構造設計事務所
施工:青 担当:田原宗、岡田泰輔
all photos (c) Junichi Nakagawa | Bariquant.
小さな商店街に位置する建物 周りに習って1階開口が開けられている
エントランスホール
玄関からエントランスホールを見る
1F 両親室 敷地の1/3を残した裏庭が広がる
1F両親室からエントランス方向を見る
玄関 北側の型ガラスから柔らかい光が入る
階段ディテール 踏み板は居室と同じラワン合板に染色
2Fリビング ゴツゴツした群青色
西日に照らされたラワン合板が黄金に輝く
取っ手ディテール 群青色の塗装、取っ手はバリカンオリジナル
リビングは本好きな施主の書斎スペースとして使われる
2Fダイニングキッチン 右奥が書斎リビング、左奥がユーティリティ
2Fダイニングキッチン 道路側を見る 右奥が子供室、左奥がEV室
キッチンディテール 開口を開けると隣の家の壁面が現れる 書斎のゴツゴツと同じ
2F階段 3F渡り廊下からの光が落ちる
2F子供部屋 勉強部屋は東側
2F子供部屋 手摺ディテール
2F階段
3F渡り廊下 奥が主寝室
3F主寝室 周囲の建物から覗き込まれないよう開口高さは手摺と同じにおさえている
3F主寝室から渡り廊下を見る
主寝室開口部
主寝室棚ディテール
渡り廊下から浴室側を見る
3F浴室 最も高いところで3750の天井高を持つ
浴室 バリカンおなじみタイルと塗装で切り分けられている
窓から主寝室と隣地の緑が見える
浴室から洗面を見る (後日洗面器取り付け)
浴室扉上枠 さすがの青ディテール ここまで打てば響く工務店はなかなかいない
テラスに出る 主寝室の壁が傾けられていることで広い空を確保している
浴室を高くすることで周囲からの視線を遮っている
隣地の緑が美しい
商業地域であり、斜線制限等は特に厳しくなかった 廻りの建物から視線を遮ると共に空を切り取るように、空に視線が抜けるように、屋根形状を決めた
空を開くために切り取られた屋根
裏庭ファワード 長細い敷地形状を活かし可能な限り裏庭広さを確保 周囲の家にも明るさが
屋根はすべて浸透性の躯体防水 道路からは浴室の薄いボリュームだけが見える
記念にとお施主さんからの要望で定礎板をプリント
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