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田端の猫専用集合住宅(2023年6月竣工)

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「6戸取れるところをメゾネット3戸にし、猫専用とすることでターゲットを絞った集合住宅」

 

 |用途 : 事務所x2室、共同住宅x3戸|計画地 : 東京都北区東田端|敷地面積 : 111.62m2(33.8坪)|建築面積 : 77.42m2(23.4坪)|建ぺい率:69.37% / 70%|施工床面積 : 244.02m2(73.8坪)|容積率:193.92% / 240.00%|構造・規模 : W造・地上3階建て|設計 : 2022年5月-2022年10月|施工 : 2022年10月-2023年3月|

これまでのバリカンの設計してきた集合住宅は「できるだけ部屋数を稼ぐことで収益性を高める」ことを目標とすることが多かった。
部屋数を増やすとおのずと一部屋の面積は小さくなる。だが小さくとも一部屋7~8万では貸せるので、坪賃料が2万円を超えるケースもあり、収益性という面では有利だった。しかしデメリットもあり、同じような属性の方しか借りなかったり、入退去の回転が早すぎることが課題だった。

そこでこのプロジェクトでは、周辺にはない広さの部屋(48㎡)とし、しっかりとした2DKの間取りとすることになった。その間取りもDKは1階、2つの個室は2階へ分散したメゾネット形式にすることでプライバシーが保ちやすく、SOHOとしても利用しやすくした。

価格的な理由もあるが、木造にすることで温かみのある内装を実現した。

さらに特色を出すために「ペット(猫)専用マンション」として貸し出せるよう随所に手を加えた。帰宅しても猫が飛び出さないようにルーバーで仕切られた玄関、2階までつながるキャットタワー、トイレに自由に行き来できるように扉に付けられた小窓など。床材はフローリングに見えるが、人にも猫にも優しい消臭効果付きのクッションフロアである。

6戸つくるより家賃収入は減ってしまうが「他にはないマンション」をつくることで、賃料競争に巻き込まれることなく長きにわたって住んでいただける集合住宅になって欲しい。


設計:設計事務所バリカン 担当:渡邉花奈
構造:間藤構造事務所 間藤早太
施工:小暮工業
写真:小野吉彦建築写真事務所 小野吉彦(猫チャンはAI合成)

 

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1階は2つのテナント、2-3階はメゾネット形式の集合住宅が3戸入る。構造は木造。木造3階建て共同住宅。法規的にはいわゆる木三共。


屋外階段で2階へ。同じように見えるが、2階は共用廊下、3階はベランダ。2-3階メゾネットだからできる形式。

1階テナント1。内装や設備工事を済ませることで、借りやすくした。


1階テナント2。


2階共用廊下。床は防水の上、清掃性を考慮して、長尺シート張り。


玄関。視認性を高めつつ、猫ちゃんが飛び出さないようルーバーで仕切られている。

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玄関を出たら吹き抜けになっており、キャットタワーで2階までつながっている。


キャットタワーを見上げる。梁は燃え代設計によるあらわしとした。


1階キッチン。奥は浴室につながる洗面所。猫が自由に行き来できるように小窓がつけられている。


洗面所。洗面台の下はオープンにすることで、猫用トイレなどを自由に置けるようにした。


中央の階段でメゾネットの2階へ。


2階寝室。1階と吹き抜けでつながっている。


階段室に大きめの収納を設けたので、寝室内は簡易的なハンガーパイプのみにすることで仕事部屋としても広々と使えるようにした。



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