神楽坂の集合住宅(FABRIC神楽坂due)(2023年8月竣工)
FABRICシリーズ2棟目のご紹介です。
階段室を囲んで1フロアに3室。それを4層重ねた12戸の賃貸マンション。「価格を抑えつつ特徴のある外観を」というオーダーに対して取った解答とは?
|用途 : 共同住宅x12戸|計画地 : 東京都新宿区天神町|敷地面積 : 115.39m2|建築面積 : 76.33m2|建ぺい率:66.15% / 70%|施工床面積 : 305.32m2|容積率:239.81% / 240.00%|構造・規模 : WRC造・地上4階建て|設計 : 2022年7月-2022年12月|施工 : 2023年1月-2023年8月|設計担当:Bariquant. 金田南斗 | 構造:(株)デザインセンター 細野友則 | 施工:三元建設(株)| 撮影:小野吉彦写真事務所 小野吉彦 |
FABRICシリーズとして2棟目となる「FABRIC神楽坂due」。dueとは2の意味。他社設計さんのFABRIC神楽坂がすでにあるので神楽坂では2棟目ということのようです。
弊社担当の1棟目は「FABRIC代々木上原」でした。
こちらの物件は目立つ立地に建つことから「ある程度しっかりした外観を」というオーダー。
外壁にはせっ器質タイルを全面的に使ってほしいとのことでした。
今回の物件は住宅街の中に建ちあまり目立たないこと、今般の建設費高騰の対策として安価な外装材「吹き付けタイル」を使った外観を提案してほしいというオーダーでした。
プランは下記の通り、階段室を中心に3室配置したオーソドックスなコンパクトプラン。
さらにそれを4層重ねるだけなので、どうしても単調になってしまう。
そこで、2つの要素で変化をつけました。
1つ目はボーダーを取り入れたこと。
吹き付けタイルはとても汎用性の高い材料なので、とても良く見る材料。なので、普通に使ってしまうと単調な表情になってしまう。
それを払拭するために、ボーダーを各階ごとに設け、色を塗り分けることで陰影のある表情としました。
ボーダーは装飾として用いるというより、建物に陰影を付けるためのものとしました。
2つ目はサッシ割り。引違い窓を用いてしまうと更に単調になってしまうため、大小の縦すべり出し窓の組み合わせとし、各階で反転させました。ボーダーで見切られることで、サッシ間の壁が列柱のように見えることも意図しました。
そんな外観がこちら。
西洋風とも和風とも言えない、独特の外観になったのではないでしょうか。
1階まわりのみせっ器質タイル。薄グレーのボーダーの間に建物サインを入れました。
サインは夜になると光ります。1階はロートアイアンの門扉で防犯対策。植栽に照明をいれることで街並みに明かりを提供。
共用階段はシンプルに。床は磁器質タイル、壁はRC打ちっぱなし、天井はAEP塗装。天井を暗めの色にするとグッと落ち着きが出ますね。
天井内には各階MBから各部屋への給水管、ガス管などが入っています。
こちらは30㎡のAタイプ。1LDKですが、広い一室として使いたいという要望に答えられるよう、寝室とリビングは可動間仕切りで仕切りました。半透明ガラスにすることで明るさや雰囲気が少し伝わるように。4枚引き戸をすべてしまうと下のように1室で使えるようになります。
こちらは20㎡のBタイプ。1Kタイプになります。廊下にキッチンがあるオーソドックスな間取り。全体的にグレートーンでまとめることでホテルのような雰囲気を目指しました。
こちらはBタイプの居室。右側の細い縦滑り出し窓には棚をつけてあるので、お気に入りの小物や文庫本を飾ることができます。壁や天井の小さな段差は断熱補強。
こちらはCタイプの居室。全部屋共通で「ペット可」としているので、腰壁より下だけ汚れてもクロスを張り替えやすいよう腰見切りが入っています。
同じくCタイプのキッチンです。Bタイプと同じように廊下にキッチンがあるタイプですが、窪みにキッチンを配置するだけで独立感が出て使い勝手も向上しますね。
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