FABRIC東中野(2025年3月竣工):愛犬・愛猫との暮らしを最大限に楽しむ、都市型ペット共生マンション
敷地の約3分の1が第一種高度地区および避難経路を確保するため、建物が建てられないという、法規上の要件から余剰空間が生まれました。
そこで、この空間を単なる庭としてではなく「ドッグラン」として活用することを事業主様にご提案したところ、大変気に入っていただき、建物一棟をまるごと「ペット共生型マンション」として計画する運びとなりました。
特に、一般的に賃料が低めに設定されがちな1階の全4住戸には、それぞれ専用のドッグランを設けています。
これにより、上層階の同タイプ住戸よりも高い賃料設定が可能となり、事業全体の収益向上に大きく貢献しています。
さらに、4階のルーフバルコニーには人工芝を敷き詰めた共用ドッグランを設け、愛犬が自由に駆け回れる開放的な空間としました。
また、一部の住戸にはキャットウォークを設置し、犬だけでなく猫と暮らす入居者様にも配慮しています。
設備面では、ビルトインの消臭装置やペット見守りカメラを全戸に標準装備することで、「ペット共生」のコンセプトをより明確に打ち出しました。
建設費が高騰する昨今、このような独自の工夫によって付加価値を創出し、建物の資産価値を最大限に高めることを目指しました。
|用途 : 共同住宅(18戸)|計画地 : 東京都中野区東中野1|敷地面積 : 358.70m2|建築面積 : 194.08m2|建ぺい率:54.11% / 70%|施工床面積 : 730.21m2|容積率:159.92% / 160%|構造・規模 : WRC造・地上4階建て|構造:さくら構造(株) | 施工:三元建設(株)| 撮影:小野吉彦写真事務所 小野吉彦 |
図のように敷地の東側は、高度斜線、避難経路により建物が建てられなかった。その余剰空間を単なる「庭」ではなく、「ドッグラン」にすることで、ペット特化型マンションとして提案した。
道路に面するボリュームは3層とし、周囲の高さから突出しないように配慮
舗装は浸透性アスファルトとし、地下水系の健全化、ヒートアイランド現象の緩和を目指した
エントランスホール。日影規制に抵触しないよう、建物高さを10m以下にするため2段分低くなっている。
集合ポスト、宅配ボックス。宅配ボックスは3戸に1個設け、再配達による環境負荷を軽減させた
Aタイプ住戸。全住戸共通で、玄関が広いオープンクローゼットになっている。玄関と部屋とをアクリル引き戸で仕切ることで、ペットの飛び出しを防ぐ
4階ルーフバルコニー。人工芝を敷き詰め、洗浄用にホースも用意
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