small apartment in Nishi-Nippori | 西日暮里の小さな集合住宅

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all photos (c) junichi nakagawa / Bariquant.

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プロデュース+管理:株式会社アールエイジ

意匠設計:設計事務所バリカン
構造設計:間藤構造設計事務所

設計期間:2010.07~2010.09
施工期間:2010.10~2010.02

敷地面積:32.64 sqm
建築面積:22.29 sqm
延床面積:89.16 sqm


西日暮里駅から徒歩5分程度の場所に建つ8室からなる集合住宅。
10坪に満たない土地(32.64平米)に出来る限り部屋数を確保することが求められた。

通常のボリューム検討では納まりまでは考えないが、1センチの違いで法規がクリアーできなくなるので、詳細設計しながらボリューム検討。

敷地境界線から足場を建てられる最低寸法350ミリを離した面積(22.29平米)を外形に設定。
階高を2.5Mに設定して階段の段数と幅から階段室面積(4.25平米)を決定。
残った面積は18.04平米。普通ならこれを1室とする面積をさらに半分にして一部屋当たり9.02平米に設定。
シャワー室兼トイレ室の納まりを検討し面積を決定(1.50平米)。
1室面積からシャワー室を除くと7.52平米。
東京都安全条例で居室面積は7平米以上としなければいけない。その面積にキッチンカウンターを含めてはいけない。
そこでシンク大きさや水栓の納まり、洗濯乾燥機の納まりを検討し、キッチンカウンターの大きさ0.50平米で可能なことを確認。
差し引き居室面積は7.02平米。都安令ギリギリ。これで面積配分は決定。

次に、部屋のレイアウト。階段室を挟んだプランにすることで部屋の両面から採光・通風が確保できる良さをKUROで学んだので、
階段室中心にした反転プランに決定。シンプルが一番。なにせ2ヶ月後に着工させなくては3月入居に間に合わない。
次に高さ。階数を4階に設定して、道路斜線にかからないよう1階を少しだけ掘り下げる。
次に窓。代替進入口として幅750x高さ1200以上の大きさが開くようにしなければならない。部屋の内々寸法は1.5M。
引き違い窓だと幅750をギリギリ確保できない。構造壁も確保できない。開き窓は道路から越境してしまう。両開き窓しか選択できない。

ここで申請機関へ事前相談。全ての寸法にOKをもらってからボリューム案と概算見積を事業主へ提出。8室で事業収支を打ってもらう。
行けるとのことで、ゴーサイン。そうして実施設計が始まる。

ここまで”こうしたい”という余地を挟むことなく全てが決まってしまった。
設計したというよりも、この寸法でしかできないことをまとめましたというだけの状態。全ての寸法は法規と納まりでビクリとも動かない。
先に決めた寸法を大きくすることも小さくすることもできない。

逆にここからが悩みどころ。さてどうしたものかと。やれることは何が残っているかを探す。
7平米というとわずか4.3帖。コンセプトがどうの言っている場合ではない。4畳半に満たない部屋をいかに気に入ってもらえるようにするか。
ワンルームマンションはとかく近隣から嫌われる。入居者に対してだけではなく、近隣にも気に入ってもらえるよう配慮しなければならない。

外観は両隣建物のちょうど中間色になるような茶色とし、街並みになじませ、愛嬌のある窓を配置。建物前には植裁を。
整然と並ぶ窓はどこか他を排除する印象となるので、構造上可能な限りランダムにずらす。
室内は小さくともチープにならないよう、普通のワンルームマンションで使うような材料や設備よりも少しグレードをあげ、質感を感じ取れる物を選択。収納が全く確保できないので、部屋の端から端までハンガーパイプを付ける。部屋自体がウィークインクローゼットだ。
トイレとキッチン前に通風を確保したいので、裏壁面に露出させる排水、給水、給湯、エアコン全ての配管ルートを決め、残った箇所を窓にする。

あら、実施設計が終わった後も、設計者の”こうしたい”という余地が入ってないではないかと気づく。
いや、それで良いじゃないか。むしろ、こういう建物があればイイなという色々な方面からの要望をまとめて調整する役割が建築家じゃないか。

そうしてできた建物は、近所の人達からは着工前には想像できないぐらい好意的な感想をいただける結果となった。
先日行われたオープンハウスにおいて、「小さいけどすごく良い部屋。どうやってこの部屋に住んでやろうか考えたくなるワクワクする部屋だ」。
そうある方から言って頂くことができ、大変嬉しくなった。

”こうしよう”と決めた階段のスリットから落ちる光はリボンのように曲面を彩る。よし成功。

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